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二章 二節 「家族の壊し方」

Author: 桃口 優
last update Last Updated: 2025-10-21 03:29:24

「ただいま」

 いつもきれいにされている玄関がお母さんの性格を表している。

 潔癖とまではいかないけど、お母さんはよく掃除をしている。

「あら、急にどうしたの?」

 お母さんは少しバタバタしながら、キッチンから出てきた。ご飯の準備をしていたのだろう。

 でも、急に来たのに、笑顔で迎え入れてくれた。

 ここは僕の居場所なんだと思えて、ほっこりとする。

「はじめまして、私は朝比奈美月と申します。本日は挨拶に参りました」

 彼女はいきなり話し始めた。

 ちなみに僕の家に来る前に、彼女はどこかいいお店にでもいけそうな服に着替えていた。

「まあ、律、いつの間にこんなかわいい彼女できたの?」

 僕がいきなり帰ってきて、女性を連れてきたらそういう反応になるよねと申し訳なくなった。

 彼女を連れてきたことなんてないのだから驚くのはわかるけど、あまりにも喜んでいるのを見ると後ろめたい気持ちがでてくる。

 本当は彼女は恋人でも婚約者でもないのだから。

 むしろ、彼女が何者かすら僕は知らない。

「まあ、そういうところ。玄関で話すのもなんだしあがってもいい?」

 僕は彼女に言われた通り、彼女の発言に合わせた。

「あなたの家なんだから、当たり前じゃないの」

 お母さんは快く家の中に入れてくれた。

 今日はお父さんも休みで、家にいる。

 お父さんの休みは、土日だ。

 公務員で、すごく厳格な父だ。

 親がしっかりしているから、僕もそうしなきゃといつも思っている。

 実際はなかなかそうはなれないのだけど。

 もしかして彼女はそんなことまで知っているのだろうか。

 僕たちは客間に通された。

 実家は部屋の数がなぜか多いと昔から感じていたけど、こういう時のためにあるのかと今わかった。

 客間には花が活けられていて、掛け軸もあり、落ち着いた雰囲気がした。

「お父さん、お母さん。いきなりですが、本日は話がありお伺いしました」

「美月さん、そんなかしこまらなくていいですよ」

 お母さんはお茶菓子とお茶を出してくれた。

 僕はついそちらに気がいった。別に甘いものが好きなわけではない。視覚的に見えたものにすぐに気が散ってしまう。

 集中力がないと子どもの頃に先生などによく怒られた。

「いえ、大事な話なので。そうですよね、律さん?」

「うん」

「私たちはお付き合いを最近始めて、結婚も視野に入れています。しかし、私の家系に問題がありまして⋯⋯」

「どうしたんですか? 息子が選んだ人なら反対はしませんよ」

 お母さんは僕のことをいつも尊重してくれる。僕にしたいようにしていいと言ってくれる。それで僕は自分らしく生きられた。すごく助けられたと思っている。 

 お母さんがいたから僕は生きづらい世の中でやってこれた。

 僕はお母さんを尊敬している。

「はい、それが代々続く犯罪家系なんです。もちろん、私は犯罪などしてません。しかし、父は殺人を犯しましたし、祖父は詐欺師でした」

 そこでお母さんたちの顔色が変わった。

 ぴりっとした感じが部屋を覆った。

 彼女はそんなこと関係なしに話をどんどん続ける。

「それでも、律さんは一緒になろうと言ってくれました。しかし、親御さんにきっと反対されると私は言いました。そうですよね、律さん?」

「うん、だから今日話に来た」

「そんな結婚反対よ。あなたが不幸になるわ」

 お母さんは立ち上がった。

 今回のは嘘ではあるけど、お母さんがなんでそんな風に感じるのか僕にはわからなかった。

 不幸になるかどうかは自分以外の人が決めることだろうか?

 不幸になると言う言葉がずっと頭に残った。

「そうですよね。でも律さんは親御さんが反対するなら縁を切ってでも私と一緒になってくれると言いました。そうですよね、律さん?」

「うん」

 ぼくはなんでこんなことをするのかと思った。

 こんなことをしても親子の関係性は変わらないのに。

 さすがにすぐに解決策はでなくても、お互いに歩み寄ることはできる。

 これは家族に起きた一つの問題でしかないと僕は感じた。

 固く結ばれた絆がほどけるほどのことではない。

「ふざけるな、じゃあ縁を切る。そいつを連れて早く家から出ていけ」

 ずっと黙っていたお父さんが声を上げた。

 その声は家中に響き渡った。

 大きな音が苦手な僕は身体全体がビクッとした。

 でも、お父さんが怒鳴るのを聞いたのはいつぶりだろう。

 一体どうしたというのだろう。

 お母さんは泣いていた。

 それっきり話は終わり、本当に家から追い出された。

 僕はただ愕然としたのだった。

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